小林由夫氏は、主に矢床(やっとこ)や喰切(くいきり)の製造を行っている三条市の鍛冶職人です。

昭和13年に生まれ、高校卒業後に家業である小由製作所へ就職し、今日まで鍛冶職人として腕を振るいながら、三条の鍛冶業界に貢献されてきました。

三条市の工業会が伊勢神宮の式年遷宮で用いられる和釘や金具の製造を依頼された際には、和釘の生産に携わり、多くの和釘を鍛えて伊勢神宮に納めました。

小林氏の功績は大きく、これまで伝統工芸士などの資格の認定を受けるとともに、経済産業省関東経済産業局長表彰など様々な賞を受章されてきました。

そして令和４年には、秋の叙勲において国から瑞宝単光章を受章されました。これは三条市の鍛冶職人としては史上２人目となる大変な快挙です。

本企画展では、矢床・喰切の中でも珍しい用途の製品や、伊勢神宮にも納められた和釘など、小林氏がこれまで製造してきた製品を展示します。

これらの製品から小林由夫という鍛冶職人の、確かな技術に裏打ちされた実直な仕事ぶりを感じていただければ幸いです。